山林所有者が自身の山で行う、または山林を借用して施業を受託して行う小規模な林業で、家族経営体に近い。「森林林業白書」によると前者だけで約 6,600 経営体あり、 日本の素材生産量の約1割(年間約180万m³)を生産している 。

この自伐型林業には、週末ボランティアや木の駅プロジェクトに少量の木材を出すようなもの、 兼業、専業など、多様な林業経営の概念が含まれている。

主な作業システムとしては、伐採はチェーンソー、集材は1人力(滑車、ロープ等を使う場合もある)、2エン ジン一体型のロープウインチ、3林内作業車によるウインチや軽架線を使う方法等がある。本格的な施業を行う場合、作業道を敷設して、間伐生産した原木を2トントラックか1~3ト ンの林内作業車で搬出・運搬するシステムを推奨している。1人当たりの施業面積は限られるが、複数の者が協 力することにより、より大きな面積の施業も可能となる。

収入を向上させるためには丁寧な作業で森林を健全に維持していくことが必須条件であり、限られ た森林から持続的に収入を得ていくためには、森林の成長量を越えない弱度な間伐生産を繰り返して、面積当た りの蓄積量を増やしていく長伐期・択伐(多間伐)施業が肝要としている。さらに、壊れない作業道を敷設して使い続けることにより採算性が高まる。また、自伐林家の場合、自家労働を提供することにより収入を得るるため、施業を委託するよりも黒字化しやすい。

自伐型林業推進協会HPより(参考 森林・林業白書2020